■第30回武蔵大学土曜講座 開催報告

・開催日時:平成21年5月16日(土)
・開催場所:8号館8702教室

 1)「米国金融危機の真相―現場からの証言」
         講師:森トラスト株式会社  顧問 曽根 一興氏(13回経済)

 講師の曽根氏は、武蔵大学の先輩であると同時に、小生にとってはクラブ活動ESS(英語会)の先輩でもあります。今回の米国発の金融危機の真相について、必ずしも明確でなかった原因についてご説明頂き、非常に楽しい時間をすごすことができました。現在、日本の製造業で働く私にとっては、実際に昨年11月以降、津波に飲まれるようにこの金融危機によるリセッションに巻き込まれており、真相についてよく分からないまま目の前の対策に追われる日々を過ごしてきました。「誰も予見できず・金融システムのもろさ」と発言したポール・クルーグマンノーベル賞受賞経済学者の評論に疑問を投げかけるとともに、英知無き行政当局と無軌道な経営者について言及しました。講師の曽根氏自らお会いになったグリーンスパン前FRB議長のキャラクターの逸話を織り交ぜながら、FRB資料、日銀統計資料を屈指し、実際の現場での臨場感あふれるお話に満員になった8号館8702教室は曽根氏の紹介する世界に引き込まれてゆくのを感じました。

曽根一興氏


 2)「日本経済の現段階と円高の活用法―マクロの視点」
講師:武蔵大学経済学部金融学科 黒坂教授

 曽根氏の現場の臨場感あふれるご講演を受けて黒坂教授の講演が始まりました。
 「日本は貿易立国から投資立国へ」転換した。しかしながら、 1:日本の投資収益率は先進他国と比較して収益効率が悪い。2:工場を海外に持つなどの直接投資の割合が少ない。3:海外資産投資の多くは債権や外貨準備の割合が多く証券投資が中心。安定的な投資立国を目指してゆくには効率的な海外資産の活用も重要になる。投資からの収益は資産価値の増加によるキャピタルゲイン収益を目指すよりも、安定したインカム収益を目指す。
 これらの講演内容は実際に製造業で海外工場建設投資を推進する立場で、自らの方向が間違っていない事を確信しました。講演中は、講演内容を必死で理解するように努めている自分が居ました。一瞬学生に戻ったような気持ちを持つことができました。
 日々実務に忙殺される中、久々に気分を一新できる2時間でした。今回の2つの講演はまさしく理想の講演のコラボレーションでした。 楽しいひと時をアレンジいただきました大学と同窓会に感謝いたします。

黒坂教授

(報告:同窓会理事 岩本茂樹 30回経済)