■第49回土曜講座 開催報告

・開催日時:2016年7月16日(土)14:00〜16:00
【講演題目】
 第1部:生者と死者のつながり
 −南太平洋の事例から死生観を考える−
 講師:石森大和(武蔵大学社会学部教授)

 第1部では、ソロモン諸島 ニュージョージア島北部地域、などメラネシア系住民の死生観を例に挙げ、身体と霊魂は分離し、人間、動物、植物、自然現象、祖先霊を含め、力(minana)を発揮している万物全ては、「生きているもの」で、これに対して祖先は「死んでいる生きもの」という考えらえているという講義内容で、自然(生命・宇宙)中心主義的に死を考えるソロモン諸島の人々に対し、日本人は人間中心主義的に死を捉えているという説明は、非常に興味深く、多くの親族とともに「死者」も一緒に生きていると考えると死に対する恐怖や喪失感が変わってくる気持ちになりました。

 第2部 あの世へ逝く力
 講師:小林 玖仁男(日本国登録有形文化財 会席料理 二木屋主人、第29回経済学部卒)

 小林 玖仁男講師は2年前(7月18日)に医師から余命2年半〜5年と宣告された時に、死の準備については精神的には誰も教えてくれないことから「あの世へ逝く力」を執筆、幻冬舎から出版された本は、Amazonの死生観のジャンルで第一位になっています。
 数日前にも死の淵をさまようほど体調が悪い中をおして大学に講演に来て下さった姿に、多くの同窓生にメッセージを届けたいという熱い思いが伝わってきました。余命宣告をポジティブに捉え、「時間が必ず解決する。」と考えたという冷静さに驚くと同時に、講演そのものがとても余命宣告された方とは思えないほどパワフルでユーモア溢れる内容で、会場が笑いの渦に包まれたのは予想外のことで、会場が何とも言えない暖かい空気に包まれました。
 死を宣告された時の心情を5段階(否定→怒り→取引→抑うつ→了承→希望)があると分析し、「十分幸せな生活を送り、少し早いバスにのって逝くので『不幸』と言うな。」という言葉が、講師のこれまでの充実した人生を象徴していて、心に響き、いつまでも忘れないでいようと思いました。

(報告者:中川富士子、30回欧米)

 

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