■武蔵大OB 三社長による座談会
 〜自ら考え、有言実行〜

・日時:平成22年9月4日(土)
・場所:武蔵大学 学長室
<出席者>
 日本バイリーン(株) 代表取締役社長 吉田俊雄氏(19回経済)
 (株)リーガルコーポレーション 代表取締役社長 岩崎幸次郎氏(21回経済)
 (株)東武ホテルマネジメント取締役社長 酒見重範氏(26回経営)

 武蔵大学学長 清水敦氏
 武蔵大学同窓会長 井上隆裕氏(14回経営)
 武蔵大学同窓会副会長 溝口勲夫氏(14回経営)
 会報委員:山下、倉地、白鳥、広瀬

かねてから経済界の第一線でバリバリご活躍されている武蔵大学の先輩方を知っていただくことで、あとに続く後輩や現役の励みになればと考え、井上会長が座談会を企画致しました。

【溝口】日本バイリーンが50周年、東武ホテルマネジメントとなって10年、リーガルも社名変更して20年と、3社とも今年は周年でおめでたい年に当たると伺い、今日との場で三人がお揃いになったのも、何かのご縁かなと感じております。さて、皆さんの学生時代どのように過ごされたのかをお聞きしたいと思います。

【吉田】私は真面目でした。これは自慢になるのですが武蔵受験の時は問題の山が当たって入学の際、新入生の総代。親孝行ができたと思います。出身校の竹早高校の先生からぜミ制で良い大学だからというアドバイスで入学しました。実は娘も卒業生なんです。私は、岡ゼミで商業英語部に所属していて、3年生で副部長をやっていた時に、13私立大学で構成していた関東商業英語部連盟で理事長として1年を過ごし、まとめ上げたことは自信になりました。

【岩崎】いやあ、私は大学の授業を妨害していた人ですから。先生にはひどく嫌われていました。でも星野先生のゼミに所属していて、先生とは今も親しくお付き合いさせていただいています。

【酒見】吉田さんと同じ岡先生のゼミで、岡先生には仲人もしていただきました。クラブは鉄道研究会に所属していて、大学の休みには鉄道を利用して日本中を回りました。

 

【溝口】それでは、社長となった会社に入るきっかけや入社してからの事をお聞かせ下さい。

【吉田】ある日の読売新聞の一面広告に日本パイリーンが掲載されており、大変に興味を持ち、将来性のある会社じゃないかと判断し、入社試験にチャレンジしました。

【岩崎】学生時代、就職活動せずに新聞広告で見つけた小さな出版社に入ったのですが、辞めた後、父に相談して今のリーガルに入社しました。
歴史が長いことを理由にブランドに頼っている、と入社して肌で感じました。今、その中でどうやってリーダーシップをとっていくか悪戦苦闘しています。

【酒見】3年生で鉄道研究会の部長をやっていた時に、東武鉄道から日光線の特急「ロマンスカー」と両毛地区を走っている特急「りょうもう号」のアンケート調査を頼まれました。その時、アンケート調査の担当をしていたのが当時営業部旅客課にいた今の東武鉄道の根津社長でした。もともと鉄道が好きでしたし、そのようなご縁もあり東武鉄道への入社を志望し、お世話になることになりました。
入社して1年は駅員と車掌、その後3年程東上線の運行管理の業務をやっておりました。当時は世間一般に労働組合の活動が盛んで、そのことで苦労することも多かったのですが、時代が変わるとともに企業と労働組合の関係も変化してきております。

【溝口】社長になられて今までとは異なったこと、あるいは心がけていることは何かありますか。

【酒見】昨年6月に社長に就任しましたが、ご承知のようにリーマンショックや新型インフルエンザの影響で大変厳しい経済状況でのスタートでした。売上げが落ちる中、とにかくやることは経費と人件費の削減で、どのようにして収益を確保するかということだけでこの1年やってきました。
 社長になってから注意していることは、社員との接し方です。今までは気楽に食事やお酒等のお付き合いをしていましたが、やはり偏った人や、特定の社員と人間関係を作っていくことは組織をまとめていく上で良くないし、そうかといって全社員の中に入っていかないと今度は意見も耳に入ってこない。その辺のところを注意していかなければと思っています。

【吉田】前の社長は代表権の無い会長になられ、代表取締役は私1名で大変責任の重い立場です。社長となると周りの私に対する接し方ががらっと変わり、社員や社外からも一挙手一投足を見られるということがあります。営業上がりの私は、性格的にやり過ぎるところがあるので抑えることも重要ですが、あまり変に抑え過ぎても自分の特徴が活かせないので自然体でやっています。それが評価され、指名を受け、承認されたのですから自分なりの生き方をしていこうかと思います。とは言うものの毎月の決済が迫ってきて、3カ月ごとに決算を締めなくてはならないので、有価証券報告書の最後に責任者としての私の名前がドンと載ることから、経営的な数値の中身に関しても責任の度合をひしひしと感じています。一方で、社長になるとお会いできる方々が随分変わってきますし、今日もこのような機会を得られるということは、今までにない経験ができているわけで、これは喜びであり、また誇りに思います。そして、いつか会社を通して社会に貢献できるように頑張っていきたいと思います。

【岩崎】従業員の活性化というか、『自ら考え、責任を持って、マーケットを切り開くことができる社員達をどうやって作りあげるのか」という点を、今、社内で一番発破をかけているところです。『こうした方がいいよ』とは言わずに、『考えなさい』と言うんです。ただ通り一遍『ああなっています。こうなっています』と教えるのは簡単ですが、頭の中に入らないのです。会社によっては非常に体系立てて、かなりの時間とコストをかけてみっちり教育をしていくという会社もありますけれど、呆たしてそれで本当に頭に入るのか?知りたいのだったらなぜ自分で訊きに来ないのかという事が頭をかすめます。マーケットがどんどん変化する中で一番大事なのは、『自分達が一つの会社を維持し、発展させ、どうやって変化に対応するのか、変化を予測し先手を打てるのか』と『自ら考える』ことだと思います。これをやりなさい、あれをやりなさい、やってきました、と教わることではなく、自分で考えるからこそ社内のディスカッションをやる時に自己主張が出来る。自己主張があるから他の人とぶつかる。ぶつかるから摩擦も多くなる。そこで鍛えられてスキルが向上する。それを回避しているようでは、会社全体にとって、将来にとってよろしくないのかと思うのです。その辺りをどうやって火をつけて歩こうかというのが私の課題です。
 会社とはあなたそのもの、仕事の中に人生はあるのだから、仕事と人生は別々にできないよ、と社員によく言います。

【井上】武蔵の三大理想のひとつが『自ら調べ自ら考える』で、それをまさに実践されているという感じですね。

 

武蔵大OB 三社長による座談会 日本バイリーン(株) 吉田氏
日本バイリーン(株) 吉田氏