■オーストラリア招待旅行 同行報告

 ビショップ博美さん(26回経済)は、2011年3月11日の東日本大震災に遭遇した学生をご自分の住んでいらっしゃるオーストラリアに招待して、少しでも心休んでもらいたいとの事で、同期でESSの友人である同窓会理事の及川氏(26回社会)に提案し、大学側との何回かの交渉後、今回の旅行が実現した。二人の学生は社会学部メディア社会学科2年の有馬 守君、経済学部経営学科1年の田辺 望さん、同行は理事の白鳥(26回経営)である。
  2011年12月21日成田を出発、31日夕方帰国。オーストラリアをギュッと濃縮した毎日であった。招待してくださった博美さん、学生の有馬君、田辺さんに感想を書いていただいた。

◆博美 ビショップ(26回経済)
  オーストラリアのニューサウスウエールズ州の田舎町ナウラに移り住んだのが、1985年11月18日。ナウラはシドニーからおよそ160キロ海沿いに南下した所に位置する。20〜30分も運転すれば、自然丸出しのビーチを楽しむことができ、牛や馬が目に入るのも日常風景といった、いたってのんびりした環境である。野生のカンガルーにお目にかかるのも珍しい事ではなく、野鳥の声で目を覚ますのが日課である。
 そんな中で、去年の東北沖の地震、それに続く津波。それだけでは収まらず、福島の原発の放射能漏れのニュースを耳にし、実際の被害をテレビの映像で目の辺りにした時には、ぞっとした。  両親もすでに十年前に亡くなっている事から、日本との縁も少しずつ遠くなっているのを感じていたが、自分の故国のために少しでも何かしなければという衝動に駆られた。遠隔地にいる為、出来る事は限られている。ここに住む福島出身の友人を頼って、被災者の豪州招待も考えたが、うまくいかなかった。それで思いついたのが、同期で同窓会に関わっている及川氏とのEメール通信。及川氏の迅速な応答で、短時間のうちに話が進んだ。同窓会長の井上氏との通信で、招待した学生二人と、同期の白鳥さんも同行することになった。白鳥さんは、学生と我が家との仲介役を果たしてくれ、何よりの助けになった。
 有馬君、田辺さん、白鳥さんの我が家での滞在は、10日間という短期間で、毎日観光で明け暮れる忙しい日々だったが、天候に恵まれたのが何よりもうれしかった。来る前は消沈した学生を想像していたが、有馬君も田辺さんも、暗い影もなく明るく振舞ってくれたので、安心した。日常の生活に追われ、すっかり忘れかけていた武蔵大での学生生活が、一気に色々と思い出された。教えを受けた、懐かしい教授の名前にも郷愁を覚えた。
 全く気軽な気持ちで企画した招待であったが、清水学長からの丁寧な感謝状やお土産までいただき、恐縮するばかりであった。3人の帰国後、同窓会報もじっくり読ませていただいた。人間の繋がりをいつまでも大切にする同窓会の姿勢には、改めて感心した。3人の訪問のお陰で、日本が又少し身近になった気がする。
 今は、ただ被災者の方々が一日も早く普段の日常生活に戻れることを祈ると同時に、無残な状態で亡くなられた方々の御冥福を遠くながら祈りたい。合掌。


左から有馬君、アンガスさん、博美さん、田辺さん


アンガスさんの御自宅