• 開催報告

第58回土曜講座

開催日時2019年7月13日(土)14:00~16:00
開催場所武蔵大学8号館7階8702教室

【第一部】14:10~15:00
講演題目:学生による被災地支援の市民メディア活動
講  師:松本 恭幸(社会学部メディア社会学科教授)

【第二部】15:10~16:00
講演題目:ハッピーセカンドライフ
ー幸せな人生第2のステージー
講  師:川上 誠(第25回経済学部卒)
NPO法人ソーシャルハーツ代表理事、AVNET株式会社経営戦略担当理事
株式会社カナデン半導体デバイス事業部アドバイザー

【第一部】学生による被災地支援の市民メディア活動

この活動は、メディア社会学部の学生たちが、東日本大震災直後から5年間の計50回余りにわたって被災地に通い取材したことを、インターネットの他、衛星放送やCATV等での記事や番組配信、震災関連イベントで、報告を通じて、同世代の若者をはじめ多くの人たちに、被災地の情報を伝えるプロジェクトである。
被災地は岩手県、宮城県、福島県の30余りの自治体を訪問し、取材先はボランティアセンターの関係者とボランティアの方、被災者、自治体関係者、地域メディア(臨時ラジオ局や地域SNS、ローカル紙など)に取材し、学生たちは合計で80本以上の番組を制作した。
また、この取材の模様は、全国紙やTBSニュースバードで紹介された。
このプロジェクト終了後は、全国各地に顕在化する課題とその取り組みを取材し、発信する活動を継続しており、2019年度には、学生の書いた記事が「Yahoo!ニュース」等で掲載されるなど活動の幅が広がっている。
松本教授は、この活動を通じて、従来の大学教育ではなしえなかった、学生たちが主体的に情報発信し働きかけるというスキルを身につけることができると話されていた。このスキルは、学生たちが就職後にその会社のCSR活動にもつながるということだ。
また、地域に溶け込みつつも第三者の視点を忘れないことが大切であるとも話されていた。情報の受け手側のことも考えた発信や活動が大切だということである。

(報告者:間所達郎 55回社会)

第二部ハッピーセカンドライフ
ー幸せな人生第2のステージー

大学卒業後、英語が得意ではなかったにも拘わらず、一念発起し渡米、約1年半の英語漬けの日々を過ごし、遂にはMBAを修得、インテル本社に入社するという快挙を果たす。「奇跡」だと笑うが、並外れた努力の賜物であることは容易に分かる。
講演では、多くのエピソードを紹介しながら、その節目節目で学んだことを披露、そのひとつが「自分が迷った時は、常に困難な道を選び、突き進め!!」ということ。その信念のもと、情熱をもって対処すれば自ずと道は開けるとお話になった。2012年にハーバード大学でALI特別研究員(フェロー)に就任、そこでソーシャルビジネスとNPO法人のあり方を学んだ。そのことが2013年2月、ソーシャルハーツを長男と設立することに繋がる。主な活動拠点は岩手県大槌町で、その三本柱は 1.生涯学習…認知症予防に繋がる「脳活・数独教室」 2.多世代間交流…高齢者と若者との絆 3.社会貢献…被害地から世界の恵まれない子供たちへプレゼント、ということ。
そして、2014年4月同町の高齢者向けシニアハーツ教室に数独(9個の升に1~9の数字を入れるパズル)を導入。
多くの高齢者に興味を与え、更に意欲を高めて知的栄養剤となった。それは鉛筆と消しゴムさえあればどこででもできるからである。「いくつになってもチャレンジ精神が大切であり、チャレンジのない生活は楽しくないということ」。講演を通じ、川上さんからその大切さを教えていただいた。まさに「No,Challenge,No Life」、講演の締めくくりに仰ったその一言が、ずしんと心に突き刺さった。

(報告者:大野美和子 27回経営)

 

 

※平成30年12月以前の開催報告は、旧サイトでご確認下さい。