武蔵学芸ネットワーク 第4回例会 2022

開催日時2022年2月5日(土)13:30~16:00
参加人数オンライン開催/16名(内学生1名)

「地方の博物館でキャリアを積む魅力 現役学芸員が語るUターン就職での挑戦」

講 師: 一般財団法人須坂市文化振興事業団職員 廣田 華子氏(2009年日本・東アジア比較文化学科卒業)

当会は、2018 年度から活動を開始した大学同窓会職域部会の一つで、武蔵大学卒業生有志ボランティアを中心として、年に一度のペースで例会を開催しています。

第4回開催となった今回の例会も、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症対策として、Zoomを利用したオンライン開催で実施しました。

大学時代、一度故郷を離れたからこそ地元を見つめ直す機会を得、縁あってUターン就職したという廣田さんのお話から、須坂市は歴史情緒あふれる魅力的な街であることがよくわかりました。

所属する(一財)須坂市文化振興事業団は、「須坂版画美術館」や「世界の民俗人形博物館」など複数の施設の管理運営をしています。現在勤務している「須坂クラシック美術館」は、蔵の町並み内にある市の有形文化財に指定されている建物に、日本画家の岡信孝氏のコレクションを収蔵しています。

展覧会の作家探し、依頼、予算取り、企画、打ち合わせ、展示をほぼすべて自分一人でやったこと、観光名物の30段にも及ぶ「千体の雛飾り」の飾り付け作業等、以前勤務していた「世界の民俗人形博物館」での体験談。現在勤務している美術館で、冬は炬燵を置くなど季節感を出すようにしてたり、コロナ禍対応として、「おうちで和~くしょっぷ」という、香り袋や絵葉書の手作りキットを販売して好評を得たこと等の具体的なお話は興味深かったです。

市の「まるごと博物館構想」や長野県のミュージアムネットワーク等と連携した生涯学習や子どもたちへの教育活動なども紹介され、その役割は多岐にわたること、熱意をもって紹介されました。その中で、廣田さんは子どもたちや市民の方々へ、郷土愛を持ち自分の町を説明できるようになって欲しいという「シビックプライド」の精神を広めたいそうです。これは地方の博物館だけではなく、どの自治体にも共通のキーワードなのではと思いました。

お話の途中、廣田さんが移動撮影しながら館内を案内してくださり、明治時代の土蔵、階段の意匠、室内にある裏庭への抜け道、外の雪の積もり具合…と、私たちは、Zoomオンラインならではの臨場感を味わうことができました。又、廣田さんと同期で幹事の木下さんが進行役を務め、息の合った二人の連係により、資料の表示等スムーズでわかりやすかったです。

今回、全16名の参加で、ディスカッションタイム、その後の有志による交流会もあり、現役学生による発言や他の美術館のコロナ禍での状況のお話などもあり、充実した会となりました。

(吉田枝里子 34回 日本文化)

※平成30年12月以前の開催報告は、旧サイトでご確認下さい。