• 開催報告

第61回土曜講座

開催日時2022年2月19日(土)
開催場所1号館地階 1002(シアター)教室

【第一部】14:00~14:55
講演題目:サラリーマン人生63年、楽しかった「わが道」
講  師:大島 敦(6回経済)日総工産株式会社特別顧問

【第二部】15:05~16:00
講演題目:武蔵大学の73年~学園創立100周年を記念して
講  師:山嵜 哲哉 武蔵大学学長(講演時)


【第一部】サラリーマン人生63年、楽しかった「わが道」
卒業後、日本板硝子株式会社に入社、自動車用のガラスの営業、太陽光発電パネル用の特殊ガラス開発に従事の後、平成元年に日総工産株式会社に入社、トヨタ自動車九州との合弁会社社長等を歴任されました。また、中国西安交通大学顧問教授、中国吉林建築工程学院大学名誉教授の肩書を持ち、現在も毎月、神奈川、愛知、九州を飛び回っている87歳の現役経営者です。今回の講演では、大島さんが就職活動時に花村仁八郎さんから教えられたという、人を知る、人に知って貰う、人を大事にする、をいかに実践してきたのか、エピソードを織り交ぜ、パワフルにお話しされました。大学時代の有名女優との交流、日本板硝子時代の新素材の開発、アメリカへの販売そして、63年間のサラリーマン生活の中で最大の出会いであったのが、トヨタとの出会い。「ありがとう トヨタさん」という本を執筆するほどリスペクトされています。87歳にして、常に前向き、周囲への感謝を忘れないという姿勢、これから100歳を目指し、新しい事業への進出を考えている大先輩に負けないように若い世代も頑張らねばと、元気をいただくことができました。余談になりますが、大島さんのご子息とは、大学は違いますが、武蔵の同窓生を含めご一緒させていただいています。大島さんに初めてお会いしたのは、大島家が主催する忘年会。17時に銀座でスタート、翌日5時まで続くという、大島さんらしい会でした。コロナが収まり、日常が早く戻ることを祈念してなりません。
(報告者:鬼十 哲 38回経済)

【第二部】武蔵大学の73年~学園創立100周年を記念して

学長の立場として最後の土曜講座でのご講演となりましたが、明快で切れのあるご講演ぶりは健在でした。
先ずは初代根津嘉一郎が100年前の開学に至った経緯をわかりやすくご説明いただきました。1909年の渋沢栄一率いる訪米団のお話、シラーズ・カレッジ等を視察して感銘を受けたことなどをご紹介いただきました。
大正、戦前の昭和を経て、いよいよ大学が生まれた戦後間もない頃から高度成長期へ、その時代背景をご解説いただきました。更に、夢の時代と呼ばれた1960年代から70年代の前半、高度成長期の真只中、核家族化が進み、3C(カラーテレビ・クーラー・カー)という言葉も生まれました。大学では人文学部が新たに設立された時期と重なります。
1970年代後半からは村上龍や村上春樹など文学にも変化が現れ、時代はバブル経済へと進みます。ビデオやTVゲームの普及、東京ディズニーランドの誕生など、豊かさが拡がっていきました。
そして山嵜先生は70年の3つ目の分岐点として、1995年の阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、Windows95の発売、1998年の携帯電話の爆発的普及、そして2011年の東日本大震災、まだ収束を見ない2019年の新型コロナウイルスの感染拡大を挙げていらっしゃいます。
そういった時代の流れを越えて、PDPやGDSそして国際教養学部の開設により、今や武蔵大学も新たな時代に突入しました。「小規模だが評価できる大学全国2位」「面倒見が良い大学全国3位」という世間の評判も定着して来ました。新たな学部の人気も上々だとか、これからの卒業生は更に発展し、世界へ向けて羽ばたいてゆくのではないでしょうか。そんな未来を予感させる、武蔵の明日が楽しみになる、素敵なご講演でした。
(報告者:同窓会ゼミ・演習部会)

※平成30年12月以前の開催報告は、旧サイトでご確認下さい。