開催報告
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第69回武蔵大学土曜講座 開催報告
| 開催日時 | 2025年7月12日(土) |
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| 開催場所 | 1号館1101教室 |
第一部 14:10~15:00
おしゃれで健康寿命をあと10年のばす
講師:輪湖 もなみ氏(32回日文) 有限会社モナミアンドケイ代表取締役社長
チャンネル登録者数13.8万人のYouTube「ミランダかあちゃんねる」で大人女性の圧倒的な支持を集める輪湖もなみさんを迎えて土曜講座を開講しました。
輪湖さんは、1984年日本文化学科を卒業、同年株式会社ワールドへ入社されました。間もなく男女雇用機会均等法が施行され、男女の区別無く働き続けた16年間だったとのことです。
その間には、営業統括部で年間200日にわたる出張が続き、販売店舗に入り込んで売り上げアップを図る動線作りや販売支援を手掛けられました。
店舗での接客で、はじめは緊張して入店されたお客様が、お気に入りの洋服を選び試着室を出てくると表情が別人のように変わる様子を見てきました。外見が変わるとモチベーションも変わることを体感する日々で、このような変化を起こす手助けをしたいという思いが今の輪湖さんの仕事のベースとなっているそうです。
「人を外見で判断してはいけない」とはいうものの、コンビニでお茶を買う際にはラベルを見て中身を想像して購入するなどの行動と同じく、人の外見でその人の人となりを想像してしまっています。米国の心理学者アルバート・マレービアン博士は人が他人から受け取る情報の割合は、話す言葉が7%、表情が55%、声のトーンやしぐさ・姿勢・服装が38%との研究結果を報告しています。
京セラ創業者の稲盛和夫氏は「外見はその人の一番外側にある中身」と表現されていますが、「人は外見で中身を判断してしまっている」というのが輪湖さんのお考えです。
服装は、自分がどんな人かを示すものであり、相手や場への敬意を示すマナーともなる。フォーマルな席上へ臨む際はフォーマルな服装やファッションをすべきであり、アンフォーマルな靴や靴下を身に着けているとその人の常識を問われることになる、と輪湖さんは言います。少し調べてのぞむことも必要なようです。
その後、上手な自己表現としてのおしゃれの4つのテクニックを紹介いただきました。
1.人の外見を具体的に褒めること
2.自分の着ているものについて語ることが人との会話の広がりにつながること
3.「痩せたらおしゃれする」は禁句で、今の自分が持つリソースでおしゃれをすること
4.多様な美しさを認め合うこと
以上を二人一組となって外見を褒めあう「褒め褒め合戦!」のワークも取り入れた和やかな講演でした。
皆さん、「年なんだから!」「年相応に!」という概念は古いとのことですよ!!
第二部 15:10~16:00
なぜ日本人は「外見」にこだわるのか? ~ルッキズムを社会学してみると~
講師:大屋 幸恵 武蔵大学社会学部教授
大学に入ってくる新入生の不安は「友達をうまく作れるか」ということ。友達を作るきっかけが「外見」、授業でどこの席に座るかを決めるのも「外見」、バッグに付けたお気に入りのぬいぐるみで仲間を意識する「ぬい活」など、「外見」へのこだわりは意外と多い等、普段から学生に接している教授ならではの講演が始まりました。
以下、講演の骨子をご紹介します。
「ルッキズム」とは、2000年代の研究当初は、「人を容姿など外見で評価すること」など偏見や差別的なとらえ方をされてきましたが、近年では「外見の魅力が個人の努力で獲得されたり、蓄積されたりできる能力や資本としてとらえられる」という個人主義的見方や「外見のいい労働者を雇って、いかに企業の収益を上げていくか」という経済主義的見方もされている。
最近では「世界で最も美しい顔100人」にノミネートされた日本人のモデルがノミネートに対して異議申し出があったり、東京オリンピックの開会式での女性タレントに対する演出をSNSで不適切な発信をした担当者が解任された事件など、特に女性に対する外見による評価としてのとらえ方もある。
日本人は化粧への関心や実践度が高いといわれており、成人女性の身だしなみ、礼儀、規範として化粧がとらえられてきた。装飾によって自己が拡大し、占有する領域も拡大する一方、TPOに合わせた格好をしないと伝わるものも伝わらないことがある。
時代の流れの中でも、平安時代の貴族、江戸時代の武家、近代における華族、現代における一般それぞれにおける化粧文化に対する変容がみられ、その時代に合った化粧がされてきた。
なぜ、日本人は「外見」を意識するのかというと、相互監視社会において、他人からの評価を気にする他者指向性が強いためである。
世間の4つのルールがあり、
・返報性(もらったらお返しする)
・身分制(序列・格付け)
・人間平等主義(出る杭は打たれる)
・呪術性(俗言・迷信)
これらのルールを守れないと、「村八分」や令和時代の「ガン無視」となるため、その場の雰囲気を敏感に察知すること、いわゆる「空気を読む」ことが重視されている。「空気を読め!」とは、少数派の意見を持つ人、あるいは、異論を唱える人に対して、暗黙のうちに周囲の多くの人と同じように行動するよう強制する「同調圧力」であり、日本は世界でも突出して高い。このような息苦しい社会の中でどこまで自分を表現できるかを計算して考える「外見」が重視されている。
(報告者:関谷 文隆 30回経営)
※平成30年12月以前の開催報告は、旧サイトでご確認下さい。


