第23回古橋先生を囲む会

開催日時2025年10月25日(土)
開催場所武蔵大学1号館 1401教室
参加人数8名

2025年10月25日、第23回古橋先生を囲む会が開催されました、
今回も前回に引き続き第37回生、橋本(旧姓青木)久恵さんが、故郷栃木市の歌枕「伊吹山」と、「栃木県ゆかりの人々」をテーマに発表しました。
伊吹山は「かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな もゆる思ひを」(藤原実方朝臣)で有名ですが、さしも草はヨモギの別名であり、とくに大型で鋭角の七つの葉をもつものは栃木市の天然記念物に指定されており、栃木市ではそのさしも草が群生していた善応寺付近を伊吹山と考えていることが紹介されました。
前回取り上げた歌枕「標芽が原(しめじがはら)」と「室の八島(むろのやしま)」は栃木市内の具体的な場所の存在が紹介されましたが、善応寺付近は山というには規模が小さく、「伊吹山」と聞くと滋賀県の伊吹山が思い起こされます。
さしも草はお灸で使うもぐさの原料であり、お灸が“息を吹きかける”ことから息吹く⇒いぶき⇒伊吹となったのではないか、中央権力が地方へ広まる過程で、栃木市で目にしたさしも草から都に近い滋賀県の伊吹山が思い起こされ、栃木市のその地を伊吹山とよんだのではないか、そういえば、日本各地に同じ地名(銀座や赤坂)がある、“燃ゆる思ひ”をよむために“伊吹のさしも草”が必要であったなど、議論が深まりました。
伊吹山で議論が白熱し、残念ながら「栃木県ゆかりの人々」については紹介のみとなってしまいました。
次回は古橋先生の著作『ミステリーで読む戦後史』でも取り上げられている、山田宗樹『百年法』を課題図書とし読書会を開催する予定です。
(報告者:柴崎(旧姓:永田)美穂 34回日本文化)

※平成30年12月以前の開催報告は、旧サイトでご確認下さい。