古橋先生を囲む会

開催日時2018年12月1日(土)15時~17時
開催場所1401教室
参加人数12名

第14回を迎えた囲む会、発表を担当した佐藤達也さん(日文34回卒)の故郷は京都の大江町です。

発表は2部構成で、第1部は大江町に伝わる3つの鬼退治伝説、「日子坐王(ひこいますのみこ)の土蜘蛛退治」「麻呂子親王の鬼退治」「酒吞童子」から歴史的事実がどのようにその土地に暮らす人々に受け入れられ意味付けされるか、また、伝承の成立時期と歴史的事実の齟齬からその土地に生きる人々にとっての真実とは何かを浮き彫りにする内容でした。

第2部は佐藤家を中心とした大江町の歴史をたどる旅。佐藤家は庄屋で広大な土地を有していながらも、火災や第2次世界大戦に翻弄されました。一方、大江町自体も由良川という一級河川が流れ、また、元伊勢と呼ばれる神社があるなど、かつては交通の要所であったことがうかがえる場所にもかかわらず、鉄道敷設の反対運動などあり主要交通網の変化をうけ、人口減、寺社の衰退、過疎化・高齢化に見舞われ2006年福知山市に統合され町名は消滅しています。

大江町には様々な鬼が跋扈していましたが、その鬼がいなくなることで人口も減少し地域も衰退してしまいました。人と鬼が共存していた時代が良かったのか、鬼がいなくなった現代が良い時代なのか、それとも鬼は形を変え今でもどこかに潜んでいるのか…。地域の繁栄と衰退を鬼伝説を通して考えさせられる発表でした。

次回は2019年6月1日(土)の予定です。詳細は決定次第ご案内いたします。

(報告者:柴崎美穂 34回日文)

※平成30年12月以前の開催報告は、旧サイトでご確認下さい。